圧延工 (アツエンコウ)

機械、電気、そして冶金的な知識が必要

圧延工の主な仕事内容

超高層ビル、橋、船、車、電気製品など、鉄鋼製品は生活のすみずみにまで浸透しています。こうした鉄鋼製品の材料となる鋼板、条鋼、鋼管を圧延機で引き延ばして作り出すのが圧延工の仕事です。

圧延工は仕事の領域が広いので、一般には分担制をとっています。圧延工場は、奥行が長さ数100m~1000m以上にも及びますので、どうしても設備単位で作業領域を分けて分担する必要があるからです。
まず、材料担当の圧延工は、圧延順序に従って材料を段取りします。材料は鋼塊あるいは鋼片と呼ばれる数百キロから数十トンに及ぶ直方体の塊で、製品によっては材料の凸凹やキズを手直しすることもあります。
次に加熱担当は、材料を通常1200℃前後まで加熱し、材料の内外部とも同じ温度になるように注意して加熱します。品種によっては常温による冷間圧延製品もあり、表面が美麗で寸法が正確なため、これらは自動車や電気製品などに使われます。

圧延担当は圧延機を操作して、加熱された材料を回転する2本のロールの間にさし込み、伸ばしたり、薄くしたりして成形する。材料にかける圧力、圧延回数、圧延時間などに注意しながら目的の形状、厚みに形を整えていきます。
最後の仕上げ作業は、曲がりの直し、注文通りの長さに切断、ひびや空洞の有無を検査、寸法の測定などが含まれ、それぞれの担当が機械を操作して圧延鋼材を注文通りに仕上げます。また、製品の品質を変えるための熱処理や、さびを防止するためのメッキ処理などを行います。

 

圧延工になるには

 圧延工になるためには、特別の免許・資格は必要ありませんが、仕事は機械操作が中心となり、目で見たり計器類からの情報で、即座にレバー、ペダル、ボタン類を操作し調整するための、正確な認知力と判断力、運動神経の機敏性が求められるほか、最低限の視力が求められます。

 業務に必要な機械操作を行うためには知識が必要であり、例えば、圧延機の操作ではまず圧延機の構造や操作を把握するための機械や電気の知識、また圧延する過程では鉄の性質の変化を理解するための冶金的な知識が必要となります。また、諸設備を正確・安全・スムーズに運転するための運転技能を身につける必要があります。また、最近では作業の自動化が進んでいるため、システムに対する知識も必要になっています。

知識・技能の習得は計画的な新人教育や訓練が構成されており、また配属職場における上司や先輩からの日常指導の中で十分に習得できる体制になっています。圧延工の仕事は奥が深く習熟に時間がかかり、また技能が設備に密着したものが多いため、ローテーションの中で技能の幅を広げ、能力や経験に応じて、より高い技能を必要とするポジションへと昇給・昇進していきます。


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