家庭裁判所調査官 (カテイサイバンショチョウサカン)
家庭裁判所調査官の主な仕事内容
家庭裁判所裁判官の命を受けて、社会学、教育学、法律学などの専門知識を活用し、家事事件、少年事件についての調査・報告を行うのが、家庭裁判所調査官です。
審判に立ち会って意見を述べ、裁判官の司法的判断を助けることも任務の一つとなります。
調査官の仕事は、離婚、相続など家庭内の紛争を扱う「家事係」と非行を犯した少年などの事件を扱う「少年係」に分けられます。
「家事係」では、問題が起きている家庭の夫婦やその子どもと面接したり、自宅等に出向いて家庭環境を調べるなどして、審判や調停に必要な報告書を作成します。
悩みごとで感情的に混乱している当事者に対しては、落ちついて調停に参加したり、自ら解決する態度がもてるように、カウンセリングの技法を用いて心理的な援助を行うこともあります。
「少年係」では、罪を犯した少年や将来罪を犯すおそれのある少年について、面接や心理テストなどを通して、少年の性格や家庭環境などを調査します。
報告書は少年の処遇を決める際の重要な資料となります。
最終的な処遇の決定を保留して、その間の少年の生活状況や行動などを調査官が観察し、非行からの立ち直りを援助することもあります。
高校や専門学校、短大、大学を卒業後、家庭裁判所調査官補1種の国家試験(21歳以上26歳未満まで受験可能)に合格し、家庭裁判所調査官研修所で、2年の養成訓練を受けた後、裁判所に配属され、家庭裁判所調査官となります。
家庭裁判所調査官になるには
家庭裁判所調査官になるには、家庭裁判所調査官補1種試験に合格する必要があります。
合格後、各家庭裁判所に調査官補として採用されます。研修所で2年間の研修を積んだ後、家庭裁判所調査官となります。家庭裁判所調査官補1種試験の受験資格は、21歳以上30歳未満です。
家庭裁判所調査官補として採用されると、裁判所職員総合研修所で研修(約2年)を受け、修了すると調査官に任命されます。
研修所では講義や演習などの合同研修を受け、さらに家庭裁判所では指導担当の主任家裁調査官から、事件処理その他調査実務全般にわたる教育訓練を受けます。
事実の調査や人間関係の調整など、家庭裁判所の科学的機能を担う専門的な仕事に従事するため、心理学、社会学、教育学、社会福祉学などの人間関係諸科学などに関する専門的知識や技法と法学の知識、そしてそれらを高めるための不断の自己研さんが求められます。
また、家庭の平和を維持し、少年の健全な育成を図るという家庭裁判所の理念に対する情熱、その実現を可能とする豊かな人間性が重要な資質となっているほか、裁判所職員としての高い倫理性や使命感、関係機関の職員と協力して執務できる柔軟さや協調性も求められます。
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